更新日 2017-04-23 | 作成日 2017-04-23

医学物理士養成コース医学博士課程院生の募集!

日本医療の中で「医学物理」がまだまだ根付いていません
日本医学物理のさきがけとして、その役割を一緒に築いていく志を持つ皆様には東大の医学物理士コースを希望して欲しいと思っています

はじめに

 「がんプロフェッショナル養成プラン」では医学物理士・放射線品質管理士といった専門のコメディカルを養成することが大きな柱の一つです。がん患者の増加、さらには放射線治療の役割・重要性の増加により、全国各医療施設で医学物理に精通した人材が求められるようになってきています。事実、平成20年度診療報酬改定における放射線治療関係の主要事項(医療機器安全管理料2に関する施設基準)のなかに「放射線治療に係る医療機器の安全管理、保守点検及び安全使用のための精度管理を専ら担当する技術者」の必要性が明記されました。医学物理士といった表現はありませんが、全国各医療施設でそれと同等な、医学物理に精通した人材の雇用、特に「がんプロ」によって育成される人材の受け皿の準備が進められていることがお分かりになるかと思います。

医学物理業務と研究活動、資格取得

 東大医学部に今年度から新たに開設された医学物理士・放射線品質管理士コースは主に理工農薬等の修士号取得者を対象としており、実際の臨床現場で医師・看護師・技師と連携し、実用的な日々の業務とカンファレンスなどへの参加により医療現場での“常識”に触れることで実践的な医学物理士の感性を養うとともに、医学物理に関連した研究課題に取り組むことで研究者としての素養を身に付けていただくことを考えています。また、医学物理士や放射線品質管理士、放射線取扱主任者の資格取得に対しての支援も行います。

東大病院で医学物理士が行う業務;
 治療装置及び支援システムの品質管理
 治療計画の立案
 治療計画の検証
 機器のコミッショニング
 コンピュータ・ネットワーク管理
 臨床業務の手伝い
 カンファレンスや回診への参加
 医学物理に関連した研究・開発
 研究会・講習会への参加、論文作成等
 訪問者・見学者への解説

医学物理士コースの院生は放射線技師・医師らと協力してこれらの業務を分担してもらいます。

放射線治療に関する研究開発

 4次元CTによる動体解析とその放射線治療への応用
 回転照射型の強度変調放射線治療(Volumetric Modulated Arc Therapy ;VMAT)の臨床応用へ向けた最新の研究やVMAT検証支援ソフトの開発
 検証ツールに関する開発
 コーンビームCTにおける造影剤の効果に関する研究
 コーンビームCTを使った治療前後での臓器移動に関する研究

こうした研究をテーマに持ちつつ、臨床に関連した業務を遂行することが実践的な医学物理士育成をうたう東大の医学物理コースの大きな特長の一つです。

学部生の方へ

東大の医学物理コースは工学部と連携しています。医工連携放射線治療グループ、また医学物理教育コースが工学部に設置され、当院での臨床 実習も行っています。工学部では修士課程からのコースが用意されており、学部生で医学物理へ興味のある方はこちらLinkIconを参照してください。

お問い合わせと見学について

「百聞は一見に如かず」です。興味を持っている方はぜひ見学にいらしてください。

*医学物理士コースに関するお問い合わせは、東大がんプロ教員「芳賀昭弘」が窓口になっています。お問い合わせはこちらLinkIcon