更新日 2015-07-02 | 作成日 2007-12-18

呼吸器内科

東大病院呼吸器内科の特色

 現在の東大病院呼吸器内科は病床数は約40で肺がん患者が7割程度を占めています。2006年度の肺がん患者の入院数283名であり、診断確定から治療方針の決定、化学療法を主とした治療全般を呼吸器内科専門医が行っています。
 肺癌は診断時に外科手術不能の進行がんが約2/3を占め、肺がん化学療法は治療上重要であるにもかかわらず、現在使用できる数種類の新規抗がん剤でも奏功率が3割程度に留まるため、初回治療以降の管理もがん臨床では大切な役割を占めています。手術適応のない肺がん患者の治療では、化学療法と放射線療法が治療の中心となりますが、年齢や進行度、performance statusや基礎疾患の有無などより最適と考えられる治療法は異なります。治療法の選択は科学的根拠をふまえつつ、個々の患者さんの状況に対応して決定されなければなりません。治療の目的は根治から生存期間の延長、局所症状の制御や疼痛緩和など患者の症状によりさまざまで、医療者には幅広い知識と経験が必要とされます。

 当科では高齢の患者さんも多いことから肺気腫や肺線維症などの呼吸器疾患やその他の併存症を持つ例も多く、がん診療のエビデンスをふまえた総合的な臨床力が求められるため、人口の高齢化に伴う今後のがん診療のあり方を学ぶことが可能です。また病名告知から終末期にいたるまで患者への心理サポートや緩和ケアといった支持療法も診療上で重要です。呼吸器内科ではこれらを呼吸器科専門医とともに学んでいただきたいと考えています。他科との連携では、呼吸器Cancer Boardや病理検討会により呼吸器外科・放射線科・病理部のスタッフとディスカッションを行い最適な医療を提供できる体制を整えています。
 また研究分野においても肺がんにおけるDNAのメチル化,RNA interferenceの呼吸器領域への応用,肺がん細胞の転移過程での転写活性変化とそのメカニズムの追求など分子生物学的手法を用いた基礎的研究を行っています。このように東大病院呼吸器内科は臨床および研究両面にわたりがん対策に取り組んでいます。

呼吸器内科がんプロフェッショナル養成プラン・インテンシブコース

 胸部悪性腫瘍の診療を通じて、呼吸器領域の化学療法をはじめとする胸部悪性腫瘍の集学的治療について学んでいただくことを目標とします。呼吸器キャンサーボードおよび病理検討会を通じて呼吸器外科・放射線科診断部・放射線治療部・病理スタッフと診療連携を行っており、診療情報の共有・意見交換を通じた総合的な呼吸器がん診療を学ぶことができます。

 がん薬物療法専門医などの専門医資格を目指す方を対象に研修期間や内容等を個別に設定し、重点的に学びたい点があればサポートする体制を整えています。

心おきなく呼吸器内科研修を

 わが国において肺がん総死亡数は増加し続けており、年間6万人以上に達しています。肺がんはがん死因の第一位を占めており、肺がん診療ができる医師の必要性はますます高まってきております。肺がん・胸部悪性腫瘍の診療を学びたいと希望されている方について当科での研修を歓迎いたします。

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