更新日 2017-04-23 | 作成日 2017-04-23

がん専門薬剤師養成コース(大学院医学博士課程)学生の募集!

がん専門薬剤師の認定はまだ始まったばかり。認定を受けた薬剤師の数も決して多くはありません。がん医療に興味をお持ちの皆様、これからのがん医療の場で活躍するための基礎を、東大で学んでみませんか?

はじめに

 近年、分子標的治療薬の登場により高度化が進むがん化学療法剤や、外来化学療法患者の増加などへ対応すべく、がん化学療法に関する高度な知識・技術をもち、がん医療において、安全かつ適正な抗がん剤の使用を推進できる薬剤師、『がん専門薬剤師』へのニーズが高まっています。
がん専門薬剤師養成コースでは、こうしたニーズに応えられる薬剤師の養成を目標に、本コースへの参加を希望される方を募集しています。

入学後のカリキュラム

 入学後は、各種講義の受講により、がんの臨床に関する一般的な知識を習得していただきます。さらに、東大病院での臨床研修においてチーム医療に参画し、腫瘍内科・腫瘍外科、放射線治療、緩和ケアの医療スタッフとの連携を通じ、がん医療における薬剤師の役割を理解するとともに、臨床薬理学的な知識、抗がん剤の調製に必要な技術や品質管理に関する知識を身に付け、また、最新の各種ガイドラインの把握や、レジメンの文献的考察および科学的根拠を正当に評価するための能力を習得していただきます。
 上述のように、最新の文献を読み、その科学的な妥当性を正当に評価するためには、自らも基礎研究の場に身をおき、最新の研究に触れることが不可欠であると考えられます。がん専門薬剤師の認定申請資格に、『がん領域に関する学会発表が3回以上(うち、少なくとも1回は発表者)、複数査読制のある国際的あるいは全国的学会誌・学術雑誌にがん領域に関する学術論文が2編以上(うち、少なくとも1編は筆頭著者)の全てを満たしていること。』との記述があることからも、がん専門薬剤師の認定を受けるには、研究者としての素養が要求されていることがご理解いただけるかと思います。   
 本コースに参加された大学院生の皆様には、基礎研究への取り組みを通して、がん専門薬剤師としての活動に必要な科学的考察力を養っていただきたいと考えています。

基礎研究

 東大病院薬剤部の研究スタッフは、抗がん剤排出トランスポーターの研究を通して、がんの抗がん剤多剤耐性獲得のメカニズムを明らかにし、また抗がん剤の体内動態の支配要因を明らかにするなど、世界的に評価の高い基礎研究を展開してきました。現在は基礎研究で得られた知見を臨床へフィードバックするべく、抗がん剤の副作用を定量的に予測するPDモデルの構築などを中心に研究を進めています。これに加え、がん薬物療法の高度化・個別化を指向して、抗がん剤TDMを実施するための基準を策定することを目指し、臨床研究の立ち上げを行っています。
 『がん専門薬剤師養成コース』に参加された大学院生の皆様には、各自の興味に応じた基礎研究テーマを設定し、推進していくことが可能です。さらに、その応用である臨床研究にも積極的に参画していただきたいと考えています。

*がん専門薬剤師養成コース募集に関するお問い合わせは、がんプロ教員「三浦将吾」が窓口になっています。メールはこちらLinkIcon